さて、このコラムは「音楽に関する事を山口的意見でお話し、私が何を考えて音楽をしてるか」をお話する
コーナーです。　・・・、が例外あり・・・、今回は全く関係ないお話をします（汗）
まあ、お話できる音楽話が今特にないといった現状なだけなんすけどね！あはっ・・・。

今回はおもしろかった小説の話。山本一力さんの「あかね空」という小説を読みました。
２、３年程前にテレビの二時間ドラマで見た事があり、その頃から気になってる話ではありました。
最近では映画化されたＤＶＤも発売されてます。で、最近ようやく原作本に目を通しました。

この話を一言で説明すると、時代劇人情ドラマです。
私はどうやら時代物の人情劇が好きなようで、「水戸黄門」なども最後のチャンバラよりはメインのドラマを
気にして見るタイプです。
ちなみに「水戸黄門」はだいたい２０：４０くらいにチャンバラが始まり、２０：４５で角さんが印籠を出すという
パターンが常なので丁度良い時計代わりにもなります・・・。

「あかね空」・・・、非常に家族愛をテーマにしてる人情ドラマなので、そこでまたハマってしまいました。
実家で家族と暮らしている人間なのでなおさらです。
京から江戸にやってきた永吉という男が豆腐屋（「京や」と名付けます）を立ち上げます。そして、おふみという
妻をもらい、二人で協力して豆腐屋をもり立てようとします。
京の豆腐は江戸の豆腐に比べて軟らかい為、最初は皆に受け入れられず、味は旨いけど受けないといった苦労の毎日。
しかしその内、御得意様も増えて京やも盛えていきます。
そのあたりのエピソードも人情味がありです。
人の良い江戸の豆腐屋がライバルである京やの為に人肌をぬぐ場面・・・、永吉の豆腐の味に惚れた、とか、
志に惚れたとかいろいろな理由からですが、惚れ惚れする職人魂が強調されてます。

後に永吉とおふみの間に子供ができます。名前は栄太郎と名付け、可愛がり育てられますが、ある時おふみが
栄太郎の髪を剃る時に過って頭を切ってしまいます。さらに栄太郎が熱を出し、なかなか治らない状況に・・・。
おふみは富岡八幡宮で「命に代えても大事に育てます、栄太郎を助けて下さい」とお祈りし、神頼みをします。
その後、栄太郎の体はみるみる回復していきました。
おふみは素直な女性で、父親にも「八幡様の約束は絶対だ！」と言われた事も受け入れる人です。
そういった事もあり、それからは栄太郎に対して度が過ぎる程、過保護になっていきます。
二人目・三人目も・・・という両親の意見に戸惑いまがらも、おふみは次男の悟郎、長女のおきみを産みます。
しかし、おふみの栄太郎に対する異常な程の過保護は変わりません。
何故なら、悟郎を産んだ直後に父親が亡くなり、おきみが産まれた後に母親が亡くなったのです。

栄太郎・悟郎・おきみも大きく成長し、それでも栄太郎だけを可愛がり続けるおふみに、悟郎・おきみも
不満な様子は隠せません。
父親・永吉も、過保護すぎるおふみに口を出しますが、その都度大喧嘩になります。
挙句に栄太郎が店のお金に手を出し、博打にハマっていき、ますます家族の仲が怪しくなっていきます。
永吉が栄太郎をおい出し、それでもおふみが栄太郎をかばって永吉と大喧嘩。悟郎・おきみをも睨みつける
おふみの目つき・・・。
両親の喧嘩してるところしか見た事がない悟郎とおきみ・・・。
そんな争いが続く中で、永吉・おふみも病気で逝ってしまいます。

そういった展開の中で、昔から永吉・おふみを知っているお得意さん達から、残された子供達３人は今まで
知らなかった両親の事実を次々と聞かされます。
悟郎とおきみが生まれる前におふみが栄太郎にしてしまった事、それ故に過保護になってしまった事。
母親・おふみも、密かに悟郎・おきみの事を案じていた事。
栄太郎の件だけで喧嘩してた事以外は、永吉とおふみは実はとても仲が良かった事。
栄太郎だけを嫌っているように見えた父親・永吉が、ふと「京やは栄太郎・悟郎・おきみの３人が協力して
やっていくんが一番や」と呟いていた事。
また、京やのお金に手を出し父・弟妹に恨まれ追い出された栄太郎も、京やの豆腐の悪口を耳にした時、相手を
殴りつけてた事・・・、も明らかになっていきます。　

いろいろトラブルはありながらも、裏を返せばやはり家族お互い知らないところで思い合っていた・・・
という話。そういった思いやりを知った時、どんな事があってもお互いに頼りあえるといった話です。
次男・悟郎が最後に言った「ちょっと恨んだり、ちょっと妬んだりしながら、それでも頼り合えるのが身内だ」
という言葉が印象的です。

ちょっとしたいい〜話を聞きたい時は、丁度良い作品の一つやと思います。
良い音楽を演るには、感動する事。ちょっとイイ話を聞いて、イイ音楽を作らねばっ！
おっ、うまく音楽に繋がったなっ！←かなり強引・・・（汗）